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金福源商事のよもやま話~“燃えない現場・売れる原料”~

皆さんこんにちは

金福源商事株式会社の更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“燃えない現場・売れる原料”~

 

リサイクル事業の肝は、「燃えない現場」×「売れる原料」。そのために、受入検査→前処理→選別→圧縮/破砕→出荷安全と法令で貫くことがすべてです。本稿は受入基準づくり/火災・労災ゼロ運用/選別ラインの最適化/品質・歩留まりKPI/マニフェスト対応を現場で使える“型”に落とし込みました。


1|受入で勝負は7割決まる ⚖️

  • 計量・目視・写真記録を標準化(入庫時の証跡)。

  • 受入基準書:品目・許可範囲・不適物(リチウム電池、スプレー缶、注射針等)・含水率・異物率の上限を明記。

  • ランク分け(A/B/C)で価格と処理ルートを即決できるように。

  • 電子マニフェスト(JWNET 等)の照合→差戻し基準をフロー化。

受入拒否は悪ではなく現場を守る最大の善。断る勇気を標準に。


2|前処理・選別の“鉄板コンボ”

  • 粗選別(手選)→磁選(鉄)→渦電流(非鉄)→風力/比重→光学選別の多段構成。

  • プラ資源PP/PE/PS/PET4大群を最優先で分けると歩留まりが安定。

  • 段ボール/雑誌/ミックス含水管理(雨濡れ=価値ダウン)。

  • 金属銅・アルミ・ステンの純度KPIを掲示し、汚れ/付着物の除去ルールを明確化。

  • 破砕は“最小限”:過破砕は分級効率↓&粉じん↑。目的は分けるために壊すだけ。


3|“燃えない現場”の仕組み

  • リチウム電池の混入防止:受入口でポスター/声かけ赤外/サーマル監視予備消火材(砂・消火バケツ)

  • 火点検知→初動→通報→退避30秒手順全員暗唱

  • 粉じん対策:ミスト・集じん機・帯電防止。粉じん爆発を想定し着火源の遮断

  • 重機×人の分離動線、逆走は禁止。見える化ベスト退避帯を徹底。

  • 熱中症/寒冷:WBGT計・休憩・スポドリ・防寒具を班長裁量で即時導入


4|品質・歩留まり・KPI

  • 原料純度(%)/異物率(%)/含水率(%)を週報で可視化。

  • 歩留まり=出荷重量÷受入重量単価×歩留まり=粗利の源泉

  • 選別ライン稼働率・停止理由(詰まり/満杯/故障)をロギングし10分単位で潰す。

  • 出荷先クレーム率0.5%以下を目標に**原因別(汚れ/混入/水分)**で是正。


5|法令・許可・記録の基本(要点だけ)

  • 許可区分:収集運搬/中間処理(圧縮・破砕・選別 等)。表示事項を車両・施設に掲示。

  • マニフェスト発行・受領・返送期限保管期間を台帳管理。電子化でヒューマンエラー低減。

  • 保管上限量・保管形態(覆い・区画)遵守。

  • 騒音・振動・臭気定点測定近隣対応ログ

制度は随時改正されます。所管自治体・最新法令の確認を前提に。⚠️


6|現場に貼る“2枚の紙”

  1. 受入NG一覧:電池・スプレー・ガスボンベ・医療廃・汚泥・油含有物 など。

  2. 初動対応フロー:①異常発熱/煙→②ライン停止→③砂/消火器→④119/退避→⑤関係部署連絡→⑥記録。


7|出荷・物流・価格の基本

  • 圧縮・結束の規格(サイズ・帯鉄本数)を顧客仕様書と一致。

  • 含水率は価値:雨天の搬出はブルーシート+屋根下一時保管濡れゼロ

  • 価格式相場(指標)−精選コスト+純度/歩留まりプレミアム。月次で合意文書化。


8|日次チェックリスト ✅

  • ☐ 受入写真・ランク・不適物の有無

  • ☐ マニフェスト番号照合(電子/紙)

  • ☐ 火気・電池・スプレー混入ゼロの確認

  • ☐ 集じん・ミストの稼働ログ

  • ☐ ライン稼働率/停止理由メモ

  • ☐ 出荷ロットの純度・含水・結束確認

  • ☐ 近隣対応・騒音/臭気ログ


まとめ
受入で決め、選別で磨き、安全で守り、記録で再現する。 この順序さえぶれなければ、現場は静かに強くなります。まずは受入基準書とNG一覧の刷新から。今日の午後、壁に貼りましょう。